STORY

　土曜日のランチ。最近は、自分でつくることにハマっている。食べたいものに、少し手間がかかってもチャレンジするのだ。とくにお気に入りなのは、パスタ料理。

ひとつ悩みどころなのは、ひとり分をつくるのは結構難しいということ。こだわって調味料を買っても使い切れないし、野菜などの食材を丸ごと買えば余る。上手く消費できなかったり、お金がかかりすぎたりして、自炊の理想と現実に迷ってしまうのだ。

試行錯誤することで私がたどり着いたのが、缶詰と豆乳の掛け合わせ。缶詰なら、一人分の材料としてちょうどいいから食材を余らせる心配はないし、なにより缶詰の中で料理が完成されているので、少し手を加えるだけでアレンジ料理が作れる。以前サバ缶と豆乳でスープをつくったら大成功だった。今日も缶詰と豆乳をやってみよう。豆乳なら冷たいパスタとも相性がよさそうだし、今日は冷製パスタに決定だ。

缶詰はどうしようか。ストックしている棚を探りながら、「おっ」とひらめく。焼き鳥缶があった。これなら味もついているし、楽ちんそう。試してみようかな。

パスタを茹でている間に、豆乳と焼き鳥を混ぜて。工程が少ないので、テレビを見ながらできちゃう。パスタを冷水でシメたら盛り付け。自分のための料理だって、おいしそうに盛り付けることは重要。冷蔵庫にあった卵とネギでアクセント。卵黄と小ネギのコントラストって、それだけでおいしそうに見えちゃうな。

そうそう。余った卵白も忘れずに。鶏ガラスープと一緒にレンジでチンすれば、即席スープの完成だ。写真を撮ってから、ひとりでもちゃんと「いただきます」を言う。

焼き鳥缶の濃いめの味付けが豆乳と合わさって、コクを感じる。卵黄も合わないわけがないよね、まろやかで最高だ。簡単にできちゃうのに、これだけおいしければ大満足だなぁ。

写真をアップしたSNSからは、通知が来ていた。友人からのコメントだ。

「私にもレシピ教えてー！」

なかなか会えないけれど、料理を通じてコミュニケーションが取れるのは嬉しいことだなって思う。今週も、いい土曜日だ。