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STORY

 どこを見ても、師走を感じる季節になってきた。

娘は冬期講習の案内を受け取っていたし、夫は年末進行で仕事がバタバタ。私の勤めるスーパーでは、働く人もお客さんもみんな早足で歩いている。人の心配ばかりしているが、私自身も忙しく、お疲れ気味だ。

しかしどんな時期でも夕食の準備はやってくる。
つくりたいものがある日はワクワクできる一方、疲れている日は正直大変だ。売り場で品出しをしながら、今日はお惣菜かお弁当を買って帰っちゃおうかな、と考える。

でも、年末年始は出費が多くなりがち。今日はお惣菜、と思っていたけれど、忙しい時期だからこそ、できたての料理で家族の体を労りたい気持ちもある。ついでに、食費も抑えられたらな。

 悩みながらの帰り際。目に入ったのが鮮魚コーナーの特売商品だ。今日の目玉は鱈の切り身。白菜と一緒に調理するレシピが、印刷されて横においてある。お財布にもやさしく、おいしそう。冬らしい食材の組み合わせに、献立問題はあっという間に解決してしまった。やっぱり、季節のものを食べるのが一番だよね。夫と娘のために、大好きな豆乳を使ってアレンジしてみるのもいいかも。うんうん、健康的でおいしい料理ができそう。お疲れ気味の我が家を、今夜は大好物で元気にしよう。

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帰宅して炊飯器のスイッチを入れたら、早速調理。切った材料を軽く焼いて、我が家の万能調味料、豆乳を加える。夫と娘が喜ぶ顔を想像しながら、豆乳のまろやかでやさしい香りに、私まで笑顔になってしまう。あとはゆっくり煮るだけ。火の通りも早いし、いいレシピを知っちゃったなぁ。

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夫が先に帰宅し、続いて娘。
「お、今日は何かな。いいにおい。」
と、キッチンにやってきた夫は、いつの間にか箸や飲み物の準備をしてくれていた。
と思えば、目を話したすきにつまみ食いをしていた娘が横で言う。

「うん。濃厚な豆乳に味噌の味付けが合いますね。」

親指を立て、得意げな食レポだ。コラコラ、もうできるから待ってなさいって。たしなめながら、大皿に盛り付ける。今夜は食卓につく前から賑やかだ。

豆乳煮を囲んでの食卓は、会話が弾む。友達の話、通勤時間の話、冬休みの予定。師走の疲れを忘れての家族時間で、大皿はあっという間に空っぽになってしまった。

「もうなくなっちゃった。今度は私も一緒に作っていい?」
はいはい、期末テストが終わったらね。
忙しい師走だけど、こういう時間を楽しみにもうちょっとだけ頑張れそうです。

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キッチンから始まる家族時間 鱈と白菜の豆乳味噌煮

fin.

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登場したレシピ

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