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STORY

 早朝のキャンプ場は、9月とはいえ肌寒い。そうそうキャンプってこんな感じだった、と思いながら、そっとテントを出る。今回のキャンプ、朝ごはんは私の担当だ。

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結婚前はよく、キャンプフェスへ行っていた。だからキャンプの朝ごはんのおいしさは、何度も経験して知っている。……とはいえ、私と夫は、当時あまり料理をする方ではなかった。夜も朝も、得意な友人たちに任せきり。それが今や、調理道具を揃えてふたりでキャンプに来るようになっているのだから、不思議なものだよね。

 今回は以前からちょっと試してみたかったメニューを用意してきた。豆乳のオニオングラタンスープ。肌寒い屋外で飲む朝のスープは、最高に身体へ染みるだろう。玉ねぎを事前に冷凍しておくと、飴色玉ねぎがカンタンにつくれるんだって。それに豆乳は、常温で持ち運べるから、キャンプでも安心して使える。朝のコーヒーに合わせるのにも良さそうだ。

「なになに? 何か、いいにおい」

玉ねぎを炒めていると、夫が起きてくる。さて、何をつくっているでしょう? 出来てからのお楽しみだよ!と、あえて期待させちゃったりなんかして。

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オリーブオイルに飴色の玉ねぎ。これだけでも顔が綻んじゃうけれど、加えてここに、私の大好きな豆乳を入れる。コクがさらに増して、スープひとつでも満足度の高い食事になるはずだ。こんなにお役立ちなのに常温で持ち運べる豆乳、ホントにえらい。これを思いついちゃう私も、もっとえらい。

チーズを纏ったバゲットをのせ、パセリを振ったら完成。あたりを散歩していた夫が戻ってくるタイミングも、完璧だ。

「ああ、いいね。あったまるわぁ」

スープを一口食べた夫の言葉に、私も満足。これは実は豆乳で、だからコクが出てね、と、思わず得意げに解説をしてしまう。

来年はみんなで来たいよねぇ、と夫が言う。「みんな」で思い浮かべる顔は多分、昔一緒にキャンプフェスへ行った友人たちだろう。今度は私たちも料理ができるようになっているしね、と笑いながら。来年もまた、違った楽しみ方があったらいいなと思います。

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豆乳オニオングラタンスープで、
キャンプの朝をあたためて

fin.

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登場したレシピ

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