STORY

　土日で一番頭を悩ますのは、３食分のご飯を用意しないといけないこと。夫が買ってきてくれたり、ご飯をつくってくれたりする日もあるけれど、あいにく今週は仕事で不在だ。

こういう日は焼きそばやパスタなど、麺料理に頼りがちになる。子どもたちにとって麺料理は大好物だから、喜んではくれるけれど。でも少しだけ、栄養面が心配だったりするのが本音。私はラクだし子どもたちも好きだけれど、炭水化物に偏るのだ。

そんなことをボーッと考えながら、結局今日も焼きそばの準備。

ならばせめて、野菜は多めに。にんじん、しめじ、たまねぎ、もやし。きゃべつもいいね。冷蔵庫にあるものをどんどん入れてみよう。焼きそばなら、色んな野菜と相性がいい。

野菜を炒めながら、ちょっとひらめく。麺をほぐす工程で、豆乳を入れてみたらどうだろうか？どうせお水でほぐすのなら、豆乳で栄養をプラスしてみてもいいかもしれない。いいじゃん、いいじゃん。もしかして焼きそば、アレンジ次第でバランスのとれた一品になるのかも。

ソースを加えて、一口味見。ソースの辛みがマイルドになって、子どもはもっと食べやすいかもしれない。これはいい発見だ！

　いいにおいに誘われて、子どもふたりはすでに着席。待ち望んだように、焼きそばを見る。いただきますを言いながら、もうお箸を動かし始めてしまったくらいだ。

「これおいしいね、ママ！」
「ママが魔法をかけたからね！」

豆乳を入れたとは言っていないけれど、なんだかいつもより楽しく食べてくれている気がする。いつもなら野菜をコッソリ残す長男も、今日は競うようにおかわりをねだるくらいだ。我ながら、ナイスな機転だったかもしれないぞ。焼きそば、すごい。そして豆乳も、すごい。

焼きそばは、サッと作れるお手軽料理って思っていたけれど、それでも子どもがいるとこんなふうに、彼らのためにアレンジをしてみることができる。こうやって喜んでほしいと望む積み重ねで、我が家の味って生まれていくのかもしれないな。