STORY
みんなでのんびりとテレビを観る土曜の夜。海外の様々な料理や観光地を紹介する番組に、子どもたちは釘付けだ。ふたりが特に気になったのは、ハワイのようだ。
「ハワイ行きたい!」
「明日行こうよ!」
番組が終わってからも、彼らの熱は冷めない。ママだって行きたい。でも、簡単に行ける場所でもないんだよ。……と、ここで考えてみる。行けないなら、ハワイが我が家に来ればいいのだ。そうそう、いつだってこういうアイデアは私、得意だもんね。
「じゃあ、明日はお家をハワイにしよっか」
私の目論見にピンと来ない様子の子どもをなだめながら、寝る時間よ、と部屋へ促す。私は夫と、作戦会議だ。実は私たち、子どもが生まれる前にふたりでハワイに行ったことがある。あの頃の記憶を頼りに、お家をハワイにする。ハワイパーティーで、夏の思い出をつくるのだ。
翌朝、夫と子どもは隣駅のショッピングモールへ買い出し。みんなお揃いのアロハシャツを買ってきた。戻ってきたら、 100円ショップの道具で、部屋をハワイ風に飾り付けてもらおう。さて、私はハワイの料理をつくる。昨日観た番組でも紹介されていた、ロコモコだ。
ロコモコの「ロコ」とは、一説によると「local」という意味があるらしい。ワインを入れてつくる本格的なソースは、子どもたちには少し早い。だから、しまもと家特製ローカルソースを考案!栄養たっぷりに、子どもたちにもおいしく食べてもらえますように、と願いを込めて、豆乳を使ったソースにします。とはいえ、ソースはレンジでできるから、失敗しなくて安心だ。
スピーカーから波の音を流したら、アサイージュースとココナツウォーターで乾杯。普段からハンバーグが大好きな子どもたちは、ロコモコに興奮気味だ。
「ハワイの味だね!」
一生懸命食べていて、どうやら気に入ってくれたよう。おいしく食べてくれることはもちろん、料理を通じて、子どもたちの興味を広げられたのも、ちょっと嬉しい。
パパたちがハワイに行ったときにはね、なんて。夫の話に子どもたちも聴き入っている。
いつか家族で、ハワイに行けるといいな。
おうちロコモコで ハワイ旅行
fin.